浜松HAPPY化計画ブログ

鈴木めぐみが見つけてきたあんなコト・こんなコト

ちょっと待った!フォルテの売却

 昨日、反対討論をしました。その原稿をアップします。ラジオにも流れていたので、「聞いたよ」と言ってくださる方もいました。


第31号議案 指定管理者の指定について反対討論をします。
この議案は、浜松市フォルテホール及びフォルテガーデンの指定管理者として浜松都市開発株式会社に、今年9月まで指定するものです。

「ちょっと待った!」です。

1月29日に正式に市長名で浜松都市開発株式会社に出たフォルテ運営についての基本方針で、市施設及び市外郭団体については9月末には退去する、市の資産である敷地については建物と一体に売却処分となっています。今回の議案もこれに準じたものと認識していいかと思います。しかし、未だどうして敷地と建物両方を売却処分にしなくてはならないのか、明確にはなっていません。今回の議案を賛成すると、ずるずるとなし崩し的に「敷地建物売却」への道まっしぐらとなり、市民を無視した判断に歯止めがきかなくなってしまうことを危惧しています。「ちょっと待った」です。

6月8日の環境経済委員会で、商工部長は、「株式を売買する方法、あるいは、会社をいっそのこと全部清算する方法、清算して建物、土地、あるいは建物だけ売却する方法であるとか、いろいろなスキームが考えられる。今後専門家も入れて検討していく。時期が来たときに議会の皆さんにもお示しをして議論をいただくので、今日のところはご理解をいただきたと思います」と答弁していて、この時には敷地売却は選択肢のひとつであったことがわかります。

ところが、先の21日の環境経済委員会に出された資料によると、浜松市は、フォルテを運営する浜松都市開発株式会社に対して、9月までに市施設などのテナントを退去させ、敷地と建物を売却処分するという方針を出しています。いつの間にか、敷地まで売却となっているのです。「建物の更新時期を迎え、ビルの修繕、更新に莫大な費用が見込まれる中では、将来にわたり市が主体的となってフォルテを運営していくことは極めて難しい状況になる」と説明されています。建物売却の理由は記載されていますが、駅前一等地敷地売却の理由については何も記載されていません。そして、また議会に示すことになっているスキームも未だ出ていません。これでは議論できません。情報公開、説明責任が果たされていない中で、とりあえず指定管理期間6ヶ月延長でお願いしますよって議会に問うのは、議会をバカにしているとしか、思えません。


さて、フォルテが立地している土地について、調べてみました。
フォルテは、遠鉄デパートとともに「浜松駅前周辺土地区画整理事業」によって生み出された11街区に位置します。「浜松駅前周辺土地区画整理事業」は、東海道本線高架化、駅前広場、南北の都市計画道路等の都市基幹施設並びに都市地区市街地の整備を目的に進められ、昭和61年に完成しました。
昭和62年12月には、浜松市は11街区の都市計画地区計画を決定しています。

浜松市が決定をしたその計画を手に入れました。少し長いですが、計画を読ませていただきます。
この計画の目標として、
当該地域を含む浜松駅周辺土地区画整理事業は、東海道本線高架化、駅前広場、南北の都市計画道路等の都市基幹施設並びに都心地区市街地の整備を持って進められ、昭和61年に完成した。本計画は、これらの事業効果の維持及び推進を図るとともに、当該地域は本市の顔となる地区であることから、個性と風格と美しさのある本市の玄関口にふさわしい都市景観を形成し、もって市民にとってわかりやすく、親しみのもてる都市景観づくりを推進することを目標に定める。

さらに、計画には11街区の「土地利用の方針」が4つ掲げられています。
・地区の特性を生かした魅力ある都市環境を形成する
・敷地の共同化により高度利用を推進する
・公共的空間を有する複合施設と商業施設としての整備を図る
・歩行者空間の整備改善をはかる


この土地利用の方針によると売却後立てられる建物も、「公共的空間を有する複合施設と商業施設としての整備を図る」ではないと浜松市は土地利用を認めないとなるのですよね。
まさか、自らが決定をした土地利用方針を守らないということはないですよね。「民間による都市部の新たなにぎわい創出」となるようなことにはならないですよね。市がルールを守らないってことになったら、市民から「市も守ってないんだから、守らなくてもいい」と言われても仕方がない、モラルハザードの拡大が起きる可能性も十分あります。さらに他の都市計画決定への影響もはかりしれません。

また、資料によると、フォルテガーデン及びホールの公的施設としての位置づけである市民の憩いの場とにぎわい創出という当初の目的は、都心の再整備の進展により、概ね達成されてきていると「自己評価」をしていますが、何を証拠に言われているのか、不明です。そして、市民の皆さんはどう判断するのか、もう必要ないのかどうか、聞いたり、議論したりする機会がないのは、どうしてなのでしょうか?

フォルテの建物そしてその敷地は、市の財産というより、市民の財産です。それを市民や議会に対してきちんとした情報公開、議論なしに「とにかく売却、何がなんでも売却」への道まっしぐらは、浜松市の民主主義の崩壊につながっています。
市長、どこを見て、誰の言葉を聞いて判断なされているのですか?あなたが見なくてはならないのは、市民ひとりひとりです。聞かなくてはいけないのは、市民ひとりひとりの声です。


6月議会に、この場で言った言葉をまたここで言わなくてはならないこと、私は悲しくて悲しくて仕方がありません。

「市長、順番違いまっせ!」