浜松HAPPY化計画ブログ

鈴木めぐみが見つけてきたあんなコト・こんなコト

「みんなで楽しく政治しよう!+」第6回

議会の中で「楽しく政治をする」
 〜一般質問の機会を活かして〜

  
■年1回の一般質問を最大限に活かす

 これまで議会の外でどのように「楽しくみんなで政治」をしているかを書いてきたが、今回は議会の中で「楽しく政治」をしている様子を報告したい。

 浜松市議会では、本会議場で議員が執行部に市政全般について質問をする「一般質問」は1人年に1回と決められている。ここで何を聞くか、毎回頭を悩ませる。質問したいことは山程あるけれど、普段の活動や常任委員会でできるものは避けたいし、他の議員が聞くようなことでは意味がない。テーマを決めるだけでも時間がかかる。しかし、質問をめぐっての市や職員との綱引きは楽しいコトだ。

 議会の始まる2週間も前から次から次へと職員が「うちの課に質問ありませんか?」と御用聞きのように回って来る。「それよりも、この間話しをしたこと進んでいる?進んでいないのなら、質問で取り上げようかな〜」と軽くプッシュ。それだけで、2ヶ月も棚上げになっていたことが急に前に進むのだから、いまいましいけれど、この機会を使わない手はない。

 質問原稿は見せる必要はないのだが、耳慣れない新しい問題を取り上げることが多い私の場合は事前に渡し読んでもらう。最初の原稿は事前に理解してもらうためのレクチャー用。優秀な職員たちは数日で資料を集め、読みこなし議論できる体制になる。具体的な質問を投げかけ、目指すべきゴールを担当職員と共有し、バリアになっていることを確認する。それを最終原稿にまとめる。このような質問づくりができた時は、予想以上の効果が出ることが多い。もちろん、スムーズにできるものばかりではないのだが。

 できた原稿を議場で読むだけで終わりにしたらもったいない。再質問するからと宣言し、その内容まで伝え、また議論する。以前は答弁が終わった後で再質問の内容を考えていたが、「先の答弁で述べたとおりです」と逃げられたこともあり、困らせるより、理解してもらうようにと手法を変えた。そして、会議録に載った質問答弁をその後の日々の活動の中で「本会議で市長がこう言っているから」と使いこなせれば、もう完璧だ。

■1本のメールから質問に

 質問のテーマは、日々の相談や市民活動から見つけだすことが多い。これまでの質問で一番思い出深いのは、「未熟児の就学猶予」というテーマだ。

 それは「七月に生まれるはずの子どもが三ヶ月も早い三月三十一日未熟児で生まれた。その子どもの就学時期を一年伸ばすことができないだろうか」という一本のメールから始まった。保健所や教育委員会に事前調査に行った時には「できない」の一点張り。そこで、法律を調べ、他都市の事例を探し出し、資料を渡し、質問することを宣言した。地方分権一括法施行で、具体的な法の摘要・解釈は地方公共団体が行なうことになったことを切り口に、学校教育法の解釈を議論のまな板にのせ、議論を重ねた。質問では、法の中の「保護者は子供が満六歳になったら、小学校に通学させなければならない。病弱など、やむを得ない事情のみ、就学猶予できる」の「やむを得ない事情」に、予定日より出産が早まり、1学年上になる月日(つもり4月1日以前)に生まれた「早生まれ」や、就学時に4、5歳児程度の体格しかない、などの場合を含むことができるかどうか、市の解釈を問うた。結果「今後、保護者と十分話し合い、子供の実態に応じ個々に適切な対応をする」と教育長が答弁。その後、保護者が望むなら、超未熟児で生まれた子どもの就学猶予ができるようになった。1人が困っていることは、きっと誰かも困っているはず。そんなテーマをこれからも見のがさず取りあげていきたいものだ。

(『WE』2005年/一部修正)