浜松HAPPY化計画ブログ

鈴木めぐみが見つけてきたあんなコト・こんなコト

「みんなで楽しく政治しよう!+」第10回

あなたも「みんなで楽しく政治しよう!」(下)
 〜わたしのことはわたしが決める〜


■情報発信力、マネージメント力をつけよう!

 課題解決のためにプロジェクトを組むことが有効であることは以前書いたが、そのプロジェクトチームの行動や提案に対し、より多くの人に理解を得ていくためには、外に向けての情報発信はとても大事だ。独自のホームページの開設(最近は簡単にできるblogもいいかも)、かわら版やニュースレターの発行、昔ながらの回覧板も結構使える。どのタイミングで、どのツールを使って発信するかは重要ポイント。また、新たな試みをする時はマスコミを利用するのも効果的だ。記者と顔馴染みになることや普段からこまめに情報を提供し、記事になったらお礼を忘れずになど、発信のノウハウも得ていこう。

 情報を発信するためには、自分たちの活動を整理し、まとめておくことが必要になる。その際、目的を再確認し、そのために今やっていることは合っているか、その成果は出ているかどうかの評価もしよう。

 こうして得たノウハウは、必ず皆に提供をし、誰でもできるようにする。ノウハウを持っている人に「力」が集中しないためだ。1人に力が集中するとチームの中に力関係が生まれてしまうのだ。チームが情報を発信しつつ、課題解決に向けて活動していくためには、これらのマネージメント力が重要だ。

■社会変革へつなげていく

 プロジェクトチームが様々な手法を使い、戦略的に動いていくことで、ひとりの「おや?」がみんなの課題として、徐々に様々な議論のまな板にのっていくことになる。その結果、政策や条例になったり、企業やNPOの事業になったり、自分たちで事業を起こしていくようになっていき、先は社会変革への流れにつながっていくのだ。

■学びからアクション

 初めての選挙後、私が議員になった途端、それまで「一緒に頑張ろう」と言っていた人たちまでが「あなたに市政はお任せするわ」と言うようになり、大変困惑した経験がある。その経験が今の「みんなで楽しく政治」の原点である。政治は議員だけが行うものではないはずなのに、議員はみんなの代表者、権威のある人であり、議会という世界に入った人だけが政治を司る人という認識が人々の中に根深くあるのだ。そこをぶち破りたい。そのためには、私が得た情報、ノウハウやネットワークの積極的な公開し、議員を権威化せず、特殊な役割を期間限定で担う専門家として、実際の活動を通じて「みんなで政治」を理解してもらうしかないと考えた。

 ひとりの「おや?」から「みんなで楽しく政治」を実践していくそれぞれのプロジェクトは、「私の問題はみんなの問題」「わたしのことはわたしが決める」という女性学から学んだエッセンスを含んでいる。「どうしたらできるのか」と試行錯誤しながらの実践のため、すべてが理想どおりうまくいっているわけではないが、成功も失敗も経験を重ねることにより、ノウハウとして蓄積されてきている。ひとりの「おや?」を大事にし、一人に力を集中させない工夫をし、情報を共有することで平らの関係になるよう心掛けているのも、女性学からの実践だ。

地方分権から市民分権へ

 「みんなで楽しく政治」は、身近で具体的な課題からスタートし、当事者が専門家や関係者の力を借り、社会の仕組みを変えていこうとすること。「みんなで楽しく政治」をするプロセスを通じて、関わっている人たちの意識が変わり、「自分たちのまちは自分たちで」と言い始め、自立的な市民に変わりつつある。「わたしのことはわたしが決める」ことの気持ちよさに目覚めた人たちは、その力を発揮し、地域を変えていくはずだ。私の役割は、「みんなで楽しく政治」をし始めた市民が活動しやすい仕組みたルールを整えるころだ。そうすることで市民の力を後押ししていきたい。
 あなたも「みんなで楽しく政治」してみませんか。

(『WE』2005年/一部修正)