浜松HAPPY化計画ブログ

鈴木めぐみが見つけてきたあんなコト・こんなコト

全国に先駆けた障害者差別をなくすための条例ができるまで

慶応SFCが各界の有識者を招いて教員がインタビューする大学院の公共政策系授業「パブリック・ポリシー」に参加させてもらった。

今日のテーマは「障害者行政のこれまでと今後ー千葉県障害者差別撤廃条例の制定について」で、ゲストは条例策定に関わった野沢和弘さん(毎日新聞記者)、ホスト・インタビュアーは浅野史郎教授(前宮城県知事)。

福祉の問題に加え知事と県議会との関係、条例制定過程のあり方、福祉に直接関わらない一般の非専門家をどう巻き込んだかといったことについて、話を聞いた。

<条例の特徴>
●全国に先駆ける障害者差別をなくすための条例
●条例は、差別行為を「労働」や「教育」「商品・サービス提供」「不動産取引」など、生活の場面ごとに8分類
●具体的な解決策を用意
障害者が差別を受けたと申し立てれば、第3者機関の調整委員会が当事者から意見を聴き、助言や斡旋(あっせん)を行う。罰則はないが、知事が勧告できるほか、障害者の訴訟費用を県が援助できるとしている。
●本格的な市民参加でつくった。
●トップの強い意志と県職員の黒子の役割が背景に
●県議会と緊迫したやりとり、18年2月議会条例提案(県当局から)→継続審査、6月議会一旦取り下げ、9月議会再提案→可決
●差別した人を罰するのではなく、理解を深め、味方にする条例


全国初の障害者差別をなくすための条例が制定されたこともすごいことだけど、
県職員がぐっと後ろに下がって、県民主体で作成し、県議会をはじめ、世論をつくっていくプロセスは見事だ。

特に県議会とのやりとりでは、本当に強い意志があったからこそ、可決までに至ったのだと思う。

野沢さんは「やわな条例」と言っていたけれど、柔軟で、しなやかだからこそ、じわじわと地域社会を変えていくものになることだろう。




●障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例
http://www.pref.chiba.lg.jp/syozoku/c_syoufuku/keikaku/sabetu/syogaijorei.html

●千葉県市障害者差別をなくすための取組みについて

http://www.pref.chiba.jp/syozoku/c_syoufuku/keikaku/sabetu/sabetu.html


●条例のある街「障害のある人もない人も暮らしやすい時代に」
野沢和弘著 ぶどう社
http://www.budousha.co.jp/booklist/book/jourei.htm