浜松HAPPY化計画ブログ

鈴木めぐみが見つけてきたあんなコト・こんなコト

おかしい!区の削減方針

●新聞記事が出ているのに

「行政区削減方針」という新聞見出しで、市長から、議長宛に「浜松市行財政改革推進審議会の意見書について」という文書が提出されたことを知った。

何度か要求し、新聞掲載から2日目の夕方になってようやくその文書は私の手元に届いた。新聞記者の手にあって、提出された先の議会の議員の手に届いていない。なぜなんだ?

中身を読む。

●行政と議会だけで決めるの?

「区の削減」については、合併協議会などの議論の経過から非常と重みのあるものとしながら、「議会の意見交換を行う中で進めていく」と。

区割りの変更は、市民に大いに影響もあるし、関心も高いことなのに、
市民という言葉は一つも出てこない。
市民は蚊帳の外?。


●区政になってようやく2年、何を検証したのか。

区政になって、2年。ようやく形が整ってきたばかり。

市長からの文書には、「7つの区役所の設置に要する施設維持管理費、人件費等の行政コストなどの課題があがってきた」とあるが、どこの部署がどのように課題分析したんだろうか。お金の話だけで区削減を考えるのだろうか?

専門職員が7つに分かれることで、ひとつひとつ区の専門性が薄まったり、次の世代を育てて行くのが難しくなっているということは聞いたことがある。それは、それまで普通市や町、村の職員だったので、政令市並みの専門性を持っている職員そのものが少ないのだ。こうした問題は、別の解決方法を見つけていかなくてはならないだろう。


区ができて、何が始まってきているか、市民の生活はどのなってきているかという視点での分析はしてきたのだろうか。今回の文書を出す前に、区長から話は聞いていないという。

●東区で起きていること

私が住んでいる東区は、政令指定都市になって新しくできた区で、人口12万人。
東区は、30代と0〜5歳の子どもの割合が他の区より高い。

これまでの市役所時代ではそれぞれがバラバラで動いていたため、ひとつの家庭で起きているにも関わらず、包括的な支援がしにくかったが、区になって社会福祉課が児童、高齢者、障害者などに関することを1課で行っているため、連携が進み、対応が丁寧で、スピーディになった(職員はいつも忙しく、日々現場で学んでいるという感じだろうか)。また、今年度から教育担当も同じフロアになったことで、今までなかなか難しかった福祉と教育の連携が進みつつある。

相談は、ただ相手の話を聞くだけでなく、解決に向けて動いたり、関係機関を繋げていかなくてはならないため、専門性&経験が必要だ。

また、東区では、市民が中心となって、高齢者福祉関係、子育て支援関係で施設や市民団体のなどのネットワークづくりが進みつつある。顔を見える関係があってこそ、助け合いの関係が生まれてくる。

●浜松は時代と逆行、地域の力を削ぐ中央集権型に?

地域協議会をつぶし、区も削減していく浜松の未来は、市役所のある「元城」でほとんどの物事が決まっていくスタイル、中央集権型に向かっていくということを意味している。


浜松の特徴、強みは、「多様性」だ。山あり、海あり、街あり、里あり、工場地帯あり。地域の特徴が違えば、考え方も異なる。多様性を生かしていくためには、その地域のことがわかっている人たちが、外の方々の力を活用しながらも地域で決め、行動していく、自立的な地域を構築していくことが長い目で見て重要だと私は思う。誰かが決めたことに従うより、自分たちで決めたことの方が、責任、やりがいを持ってやれるし、計画以上の効果も上がりやすい。

効率やコスト面だけ考え、一方的に元城で決めていくと、地域の力を徐々にそいでいく。力を削いでいけば、文句を言える力もなくなるが、自立できず、最終的にどこかに依存しないと存在できなくなる。

まさか、それを狙っているのか??

先進の自治体では、小学校区や中学校区などへの「地域分権」あるいは「近隣政府」を目指して動き始めている。川崎市池田市名古屋市上越市など。