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浜松HAPPY化計画ブログ

鈴木めぐみが見つけてきたあんなコト・こんなコト

子育てを全力で応援する予算になっているか〜反対討論〜

浜松市政向上委員会、鈴木恵です。第22号議案平成29年浜松市一般会計予算について、反対の立場から討論します。

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市長は施政方針の中で、平成29年度総合戦略に掲げる3つの基本目標の達成に向けて取り組んでいくと述べており、そのひとつに「子育てを全力で応援するまち」を挙げています。

平成29年度予算は、子育てを全力で応援する予算になっているのでしょうか。

 

平成28年度浜松市の市民アンケートで、「浜松市の子育てがしやすくなっていますか」の問いに子育て中人の8.1%の人が子育てしやすいと思わない、38.3%の人がどちらとも言えないと答えています。つまり、5割弱の人が子育てしやすいと実感していないのです。しかも、子育てしやすいと答えた人すらも、平成26年度50.1%あったのが、平成28年度39.7%と大幅に減っています。

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平成29年度の子育て支援関連の予算をみてみます。
市民アンケートの中で、「どのような環境が整えば、子育てしやすくなったと感じるか」の全回答者の一番目、子育て中の方の二番目の回答に「保育園など入園を希望するものがすべて受け入れる環境」を挙げています。保育園や放課後児童会の施設整備での定員拡大は、最優先に取り組んでいただきたい事業です。平成29年度の保育園定員850名増、放課後児童会定員764名増の予算を組み、評価します。しかし、今年度も「保育園落ちた!」の声は大きかったです。特に第1子の1歳児は大変で、育休明け、両親がフルタイム勤務でも落ちていました。先の一般質問で、担当部長より保育園入所基準の見直しをするとの答弁がありましたので、より公平に入所できることを期待しているところです。

 

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しかし、多世代住まい支え合い事業の家族支え合い環境支援補助金の2900万円、
独身の子をもつ親向けのセミナーなど婚活イベントの拡充をする「地域少子化対策強化事業」に、1340万円
そして、子どもの貧困に配慮のない給食費関連予算
には、異議ありです。

多世代住まい支え合い事業は、子育て世代の生活基盤の安定や出生率向上を目指しているなか、多世代が支え合う同居等を促進することによって、安心感のある子育て環境づくりを進める目的で、小学生以下の子どもをもつ子世代と親世代が同居、または100メートル以内の近居をする場合、新築、改修で40万円、引越し等の費用10万円、前の住まいの解体に50万円の補助金を支給するものです。2900万円は、すべて市の単独予算です。

三世代が一緒に住める人は、経済的にも、仕事の関係上も問題なく、さらに親世帯と子世帯の考え方が一致していることなど、様々な条件がクリアされている、恵まれている家庭です。一方、転勤や仕事の関係で、親が近くにいない、親が早くなくなってしまった、など、何かの時に子育てを助けてもらえない家庭の方が子育ての困り感は大変強いのです。先の市民アンケートでも、子育て中の方の半数の方が「困った時や緊急時に、安心して預けられる環境」が必要と答えています。

また、浜松市補助金の交付基準のひとつに「補助の効果が広く市民に浸透し、特定の者の利益とならないこと」とありますが、三世代同居への補助金は、特定の者、三世代同居ができるものだけの利益となります。また、三世代同居したことで、子どもの数が増えた、少子化が解消されたという調査結果はどこを探しても見当たりません。少子化が解消できるのかという効果はわからないのです。

平成28年7月に実施した市民の住意識(すまいの意識)アンケートでも三世代同居・近居には、仕事のこと、家族や子どもの考え方など各家庭にあいて様々な問題があると分析されています。
実際の声からです。「三世代同居といっても、子育てを手伝ってくれる親ばかりではないのです」と相性があわず、悲惨な結果となったという嫁の立場からの切実の声。姑の立場から、「三世代同居をしました。私は仕事していませんが、ボランティア活動などで毎日外に出ていて、孫の世話をすることができません。区役所でスケジュールを見せたのですが、三世代同居で65歳以下の無職の祖母がいる場合では保育園にほぼ入ることができませんと言われました。結局、別居することになりました」と。

子育てや介護を家族だけに頼るのは家族の形が崩れた時のリスクが大きいものです。それよりも、社会全体で子育てや介護を支援すること、少しでも子どもの教育費へ負担を減らすこと、共働き家庭が子育てしやすくなる施策などに税金を重点配分すべきです。三世代同居・近居に補助金を出すことに反対です。
次に、独身の子をもつ親向けのセミナーなど婚活イベントの拡充をする「地域少子化対策強化事業」1340万円です。平成28度は全額県補助金でしたが、来年度は県の補助金は半分となります。

未婚化・晩婚化の解消のため、男女の出会いの場を提供したり、家族形成意識の醸成の講座を開いたり、親向けのセミナー、交流会をする費用として計上されています。
婚活イベントは、旅行や農業、スポーツなどの4つのコースを設定し、160名の参加を予定しています。こうした婚活イベントは、市内の民間企業、小さなお店などでも以前から多く行われています。後出しじゃんけんで市が進出してきて、市でやることだから安心、その上安いということでは民間企業は圧迫されてしまいます。同じようなスタイルの民間企業はすでにあり、民業圧迫です。本当に公がやるべきものなのでしょうか?そして、その成果をどのようにみるのでしょうか?普通に考えると結婚が成立した率ですが、結婚成立まで後追いすることができるのでしょうか。成果指標が不明の事業評価は困難となります。もし、どうしても行政が絡むなら全国から参加者を募集して移住を促進したり、中山間地で開催したり、民間では採算が合わないプランニングではないでしょうか。

指定管理者制度が導入される以前の平成22年度までは、青少年の家などで、青年たちが自主的な運営で、はたちの講座とか、青春の講座とか青年向けの講座が活発に開設していました。出会いの場や友達作りの場、さらに教養を身に着けたりする学びの場を自らつくっていました。年間を通しての活動なので、自然と仲が深まり、毎年コンスタントに結婚するカップルが出ていたそうです。ちなみに、平成22年度当時の青少年の家での青春の講座への委託金額は、わずか7万9000円でした。公益性がない、成果指標が不明、実質的な事業評価ができない、婚活事業について反対です。

さらに、政策として行政が三世代同居・近居や結婚の推進していくことについて反対する理由は、特定な価値観や人生プランを市民に一方的に押し付けているからです。三世代同居が理想の家族像とか、結婚して子どもを産むのがベスト、女性は仕事をする一方で、両親を介護し、定年後は孫の面倒を見るべきなど、行政が特定の家族観やジェンダー観を誘導し、個人の生活意識にまで介入し、税金を投入することに強い懸念を抱いています。未婚や少子化問題を解決するには、安定した収入や残業を減らすなどの雇用環境の改善、そして保育園整備が先決のはずです。また、結婚を望まない人やLGBT性的少数者)など、多様な生き方を認めることとも逆行しています。

学校給食費についてです。食材費の高騰のため、給食費を値上げすることについては理解しています。しかしながら、子どもの貧困への目配りがかけていることに異議ありです。就学援助を受けている家庭は学校給食費の実費相当額が後に支給されます。平成29年2月現在の小学校の就学援助率は、6.82%、中学校は9.2%です。しかし、浜松市が今年度子どもの貧困について調査した結果では困窮群(等価可処分所得おおよそ122万円以下)が9.3%、予備群(等価可処分所得おおよそ183万円以下)が17.1%でした。困窮群と予備軍を足した26.4%のうち、就学援助を受けている人と間に15%程度の差があります。就学援助を受けていない困窮群、予備軍の人たちに給食費の値上げ分が家計に重くのしかかってきます。この1年間、子どもの貧困の現場に関わってきまして、当事者や支援者の話を聞いてきました。就学援助を知らなかった、申請させてもらえなかった、申請書の書き方が難しくて諦めた、就学援助は奨学金のように返さないといけないと思っていたなど、困窮世帯が就学援助に繋がるのも大変な様子が伺えました。

例えば、今回の給食費の値上げ分を、市内で生産した対象品目の野菜などを学校給食に納入した農家へ助成をすることで、値上げを食い止めることができなかったでしょうか?地産地消の推進とともに、給食費の値上げを避けることができ、子どもの貧困対策の推進になるのではないでしょうか?恵那市など他自治体では、地産地消事業、食育事業として、学校給食の食材への補助の仕組みがあるところがあります。
より困っている人たちに手を差し伸べていないのでは、子育てを全力で応援するまちとはいえません。子どもの貧困への配慮のない予算に反対です。

 

次にまちなか公共空間利活用実証実験事業、新川モールへの屋台村事業、4677万円です。基本目標のもうひとつに「持続可能で創造性あふれるまち」につながるでしょうか、大変疑問です。

同じく新川上にあったべんがら横丁は、客数が伸びず、閉鎖となりました。これには市にも責任の一端ありますよね。
残念なことに、今回の屋台村のコンセプトづくりの委託内容見ると、市側の思いは感じられず、べんがら横丁の反省が見受けられず、民間のコンサルタントへ丸投げとなっています。
飲食販売の屋台は低予算でできるかもしれませんが、飲食だけで人のにぎわいが生まれるのでしょうか。近くにすでにオープンしている飲食店の客をただ移動させる、パイの奪いあいで終わってしまいませんか。また、東隣には、高層高級マンションや小洒落たお店が建っています。今後旭・板屋A地域にもホテルやマンションが誕生する予定となっています。高級感あふれる街の隣に簡素な屋台ですか?臭いや騒音、飲食ゴミなどは高級感にあっているのでしょうか。

 

浜松市中心市街地活性化計画の中の地域住民のニーズ分析によると、「歩いていて楽しくない」と答えた人は4割にとどまっていて、空き店舗やコインパーキングの増加、飲食街化による夜型の商店街になったことが「歩いていて楽しくない」とイメージを、魅力の喪失になっていると分析しています。そして7割の人が休憩場所の不足を感じていて、早急な対策が求められています。なのに、休憩場所が欲しいというニーズを無視して、屋台村をつくる意味がわかりません。

今回の予算から、目的と手段があっていない、成果がわからない予算、ニーズにあっていない事業の一部をあげさせていただきました。市民から付託された大事な税金を真に公平に、有効に使っていただきたいと切に願い、反対の討論とします。