浜松HAPPY化計画ブログ

鈴木めぐみが見つけてきたあんなコト・こんなコト

LGBT自治体議員連盟2017夏の研修会

7月に発足したばかりのLGBT自治体議員連盟2、以前、浜松に講演に来ていただいた世田谷区議の上川あやさんから紹介を受け、入会。発足して初めての研修会を2日目のみ(7月28日 豊島区役所)参加できた。

2日目は、豊島区、文京区、世田谷区、中野区のLGBT施策について各自治体の担当者から報告があった。さらに、豊島区ではLGBT当事者団体である「レインボーとしまの会」、世田谷区では議会でLGBT施策の前進のために力を尽くしてきた議連世話人上川あや区議からの報告があった。どの自治体でも区の計画や、男女平等(共同)参画条例や男女共同参画プランなどにLGBT施策を位置づけ推進している。

豊島区では男女共同参画プランの中に「性的少数者の人々の理解の促進」がうたわれている。2015年、議連世話人の石川大我区議の調査で区内の宿泊施設140施設のうち、約半数にあたる143施設で男性同士のダブルルームの使用を拒否していることが明らかになり、議会で是正を求めたところ区が改善指導を約束した。議会での取り組みとあわせて、「レインボーとしまの会」では勉強会や交流会など楽しく気楽に続けられる活動を心掛けながら、規約や事業計画をつくり行政からの協力を取り付けるなど社会的にも認知されてきたことを報告。巣鴨地蔵通りで協力店を募って、「としまレインボーウォーク」も開催している。

文京区では男女平等参画推進条例に「何人も、配偶者からの暴力等、セクシュアル・ハラスメント、性別に起因する差別的な取扱い(性的指向又は性自認に起因する差別的な取扱いを含む)その他の性別に起因する人権侵害を行ってはならない」という条項を設けている。

まず職員・教職員向けの「対応指針」を作成して合意形成を図っている。また今年度から当事者・支援者向けに「文京SOGIにじいろサロン」を開始し、学習や情報共有を行っている。

 

 

世田谷区では2015年11月から「同性パートナーシップの宣誓の取り組み」を行っている。同性カップルがパートナーシップの宣誓を行うことで区長名の宣誓受領証を交付するというものだが、今年度までに53組が宣誓している。同性カップルであることでアパートやマンションの賃貸契約を拒否されたり、医療現場でも「家族ではないから」という理由で面会させてもらえないなど不当な扱いを受けるなかで、当事者団体から「同性同士で生活する者も家族として扱い、そのパートナーシップを承認してほしい」という要望を受け実現したもの。

 

 

また、上川区議からは議会での合意形成、国へのはたらきかけを通じてDV電話相談や学校現場での研修実施や子ども向け相談、性別を問わないトイレ整備、そしてパートナーシップ制度など一つひとつ施策を実現させてきた経験が語られた。先月には全国で初めて公営住宅条例を改正し、同性カップルの区営住宅への入居も可能になったとの報告があった。

世田谷区男女共同参画プラン(2007年3月策定)には、初めて「性的少数者への理解促進」を入れた。

 

www.city.setagaya.lg.jp

世田谷区第二次男女共同参画プランには、「性的マイノリティ等多様な性への理解促進と支援」があげられ、

施策策として、以下があげられている。

1、就労・災害時における性的マイノリティへの支援 

2、性的マイノリティへの理解促進

3、性的マイノリティの相談体制、居場所づくりの整備

4、区職員、教育分野等における理解促進

 

中野区では「ユニバーサルデザインのまちづくり推進の取組」として、HIV患者への検査や相談体制の拡充を図っている。

 

午後は渋谷区の男女平等・ダイバーシティセンター「アイリス」に移動して渋谷区の取り組みについて説明を受けた。渋谷区では「ちがいを力に変える街」をコンセプトに、ダイバーシティインクルージョン(多様性と社会的包摂)をキーワードにした取り組みを進めている。2015年4月1日からは「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」が施行され、それぞれの分野で多様性が交じり合い、それぞれの力を生かすことで新しい力が生まれるという考え方が根底にある。

 

渋谷区ではにじいろ電話相談、コミュニティスペースなどとともに、同性パートナーシップ制度を実施。世田谷区との違いは同性パートナーの権利保障の観点からより厳密な手続きを設け、「証明書」として交付していること。「任意後見契約」と「合意契約」という2つの内容の公正証書を作成・登記することが条件になっており、みずほ銀行が証明書によって同性カップルでも収入を合算して融資の条件とできるようにするなど実効性のあるものになっている。

先進自治体ではここまで取り組みが進んでいるのかとびっくり。

「同性パートナーシップ制度」が自治体の施策として注目を集めているところだが、どの自治体も多様性を受容する基本方針等を策定し、行政や教育に関わる職員や区民向けの研修、相談窓口の設置やコミュニティ運営など多岐にわたる施策を実施している。

そもそもLGBTはもちろん、女性や高齢者、障害者など、誰もが不当な差別や偏見に苦しめられることなくその人らしく暮らせることが必要だ。

 

現在浜松市では男女共同参画計画を策定だ。計画の中に性的少数者への理解と促進を入れていけるように動いていきたい。