浜松HAPPY化計画ブログ

鈴木めぐみが見つけてきたあんなコト・こんなコト

「みんなで楽しく政治しよう!+」第9回

あなたも「みんなで楽しく政治しよう!」(上)
 〜「おや?」から解決プロジェクトチームへ〜

■「おや?」と思うことが政治のはじまり

 「おや?」「困った!」「何か変じゃない?」「こうなったらいいのに!」という素朴な疑問やつぶやきから「みんなで楽しく政治」が始まる。これまで、私が紹介してきた浜松での事例も、ひとりの素朴な疑問やつぶやきから始まっている。

 「おや?」と思うコトには、具体的な「課題」が存在している。例えば、文化財の松が倒れた、子どもの通学路が危険だ、車椅子で自由に外出できないなどだ。一人でも困っている市民がいれば、それは「解決すべき課題」であり、市役所に担当する課があるか、施策や予算があるかなどは問題ではない。困っている人が抱えている「解決すべき課題」を、必要な機関や専門家などの力を借り、解決策を探っていこうとするところから「みんなで楽しく政治」がスタートとする。解決する担い手は、困っている本人も含むこの課題に関わる「みんな」であって、行政だけではないことを忘れてはならない。

■「おや?」を仲間や専門家に話してみる

 「おや?」と思ったら、一人で解決しようとしないで、まずは相談できる仲間、課題に関心を持ってくれそうな専門家や関係者を探し出し、その力を借りることが重要なポイントだ。弁護士などの専門家、企業経営者、ジャーナリスト、研究者、行政職員、議員などは有力なサポーター候補だ。

 講演会や本などで、「これだ!」と思う人がいたら、まず個人的に直接メールや手紙を書き、相談する。著名な先生であっても、こちらの熱意を感じてくださり応援していただけることは、これまでの私の経験上実証済みだ。また、優秀な行政職員は、自分のまちの情報だけでなく、国や県の最新動向やデータ、市内外のネットワークを持っている知恵袋だ。直接の担当では公然と協力することはできないかもしれないが、該当課外であれば、協力は期待できる。

 議員は、市全般に関わる情報や国、県などの情報、民間情報など、より多くの情報を持っていると同時に決定権限を有している。「こんなことに困っているけど、情報はありませんか?」「どのようにしたら解決できると思いますか」と党派にこだわらず、できるだけ多くの議員とコンタクトし、問題提起を試みる。ちなみに私がサポーターで関わっている事例でも、他の議員にも声をかけるようにアドバイスしている。多数決の世界である議会は、より多くの議員の賛同が必要だからだ。市民からアプローチされれば、断る議員はほとんどいないはず。  

■ プロジェクトチームづくりへ

 様々な専門家と話をすることで、課題とその解決方向が明確にされる。そこで初めて解決のためのプロジェクトチームづくりに取りかかる。困っている当事者が主体であることは当然だが、当事者だけで解決するには、問題が複雑で困難であることが多い。そのため、当事者を応援し、かつ信頼関係が結べる専門家や関係者もメンバーに加える。プロジェクトチームは、連絡会議ではなく、あくまでも実質的に課題解決に当たる集団だ。「事件は会議室でなく、現場で起きている!」のように、解決に向けての議論と具体的な行動が実施されていく。実際の行動を通じて、それぞれの力を引き出し、信頼関係を深め、徐々に適切な役割分担を図る。必要な役割だが、現メンバーに当てはまる者がいない場合は、他から探し出しメンバーに加えていく。

■プロジェクトチームの知恵と力で

 課題解決のための小さな企画を仕掛け、いくつか実験的に行うと同時に課題解決のための仕組みづくりについての議論も重ねる。これらの中から生まれる小さな成功体験も積み重なられ、チームの力となる。しかし、いくら良いメンバーとの議論と行動の結果、素晴らしい提案ができたとしても、その提案を多くの人に受け入れてもらい理解を得、課題解決に向かうにはやはり権威づけも必要となる。いわゆるお墨付きだ。そこである程度方向が固まった段階で、どう権威付けをしていくかも戦略として考えていくことが大事だ。
(『we』2005年/一部修正)