浜松HAPPY化計画ブログ

鈴木めぐみが見つけてきたあんなコト・こんなコト

そもそも「こども第一主義」ってなんだろう?

「こども第一主義条例」を市長はつくるって言うけどさ、さて「こども第一主義」ってどういうことなんだろう?

市長マニフェストには、「こどもたちは未来の宝です。だからこそ、こども第一主義を政策の第一に掲げます」となっていて、それ以上の説明はない。
中身を見ると、子育て世代の応援と地域一体の教育ということなので、マニフェストをつくった時は子育て支援と教育に重点を置くことが頭にあったんだと思う。


しかし、当選してからも「こども第一主義」という言葉の定義されないまま今日に至っているため、「こども第一主義」という言葉はひとり歩きをしていく。

「こども第一主義条例」についての市長答弁で、それを検証してみる。

●平成19年9月議会/公明党 松下正行議員質問
「個々の政策を統括する意味と、全体像に立って推進できるよう、まずは浜松独自の子育てを総合的に支援する(仮称)こども第一主義条例を制定する考えはないか」
 *事例に出したのは「京都府子育て支援条例」

<市長答弁>
「浜松独自の子育てを総合的に支援する(仮称)こども第一主義条例を制定する考えについては、20年度からの後期次世代育成支援行動計画の見直しとあわせ、計画の基本理念としての条例としたい」


この当時は、「子育て支援」の理念条例としての「こども第一主義条例」を制定する考えだったようだ。


●平成19年11月議会/共産党 嶋田初江議員質問
児童の権利に関する条約に対する市長の認識は?」
日本国憲法や国が批准した児童の権利に関する条約などの理念を踏まえて、子どもの権利に関する条例を制定すべきがいかがか」


<市長答弁>
児童の権利に関する条約の理念に基づいて、子どもが安心して元気に成長することができるまちづくりが大変重要であると認識」
「20年度以降の後期次世代育成支援行動計画の見直しとあわせ、計画の基本理念としての(仮称)こども第一主義条例の策定を検討していく中で、子供を守り、子供が生き生きと育つ社会を目指す」

この時「児童の権利条約の理念に基づく」「子どもを守り、生き生き育つ社会」にも配慮され、子どもの権利を生かす、子ども育ち支援の2つの視点が追加されていった。


●平成20年9月議会/公明党、小倉篤議員質問
「こども政策のビジョンを明文化し、本市のこども政策、市長のこども第一主義を理念化し、かつ具体化でき得る物差しが示されるべき」
「こども第一主義条例をいつ制定していくか、スケジュールはどうか」

<市長答弁>
「条例では、未来を担う子供の健全な育成や環境づくりに社会全体で取り組んでいくことなどを基本理念に定め、家庭や市民、市の役割などを明らかにするとともに、子供の笑顔が輝き、子育てがしやすく楽しいと感じられる社会の実現を目指す。また、後期次世代育成支援行動計画では目標や施策を明確に位置づける。こども施策を総合的に推進できるよう、条例と計画の整合性を図る」
「アンケートやニーズ調査を実施し、子供から大人まで幅広く市民の皆様の御意見を伺いながら、21年度のできるだけ早い時期に条例素案を示す。平成22議年2月会へ提案」

「こども施策を総合的に推進する」し、「子どもの意見も聞く」ということで、子どもの参加を保障したこども総合条例へと変化していいった。



こうして、最初は子育て支援条例をつくる予定だったのが、その後子どもの権利、子ども育ち支援を加えた、子ども施策を総合的に推進するためが条例の性格となっていったのだ。



しかし、最初の企画では「次世代育成計画(子育て支援)の理念条例」となっていたため、アンケートは子育て支援の内容のままだ。一方、条例の目的は「未来を担う子どもの健全な育成」で、具体的施策は子育て支援だけと、バラバラで、何をしたいのかがちっともわからない条例になってしまった。

市は、こども第一主義とは何なのか、何のための条例をつくるのかをはっきりさせ、市民との意見交換を早急にすべきだ。