浜松HAPPY化計画ブログ

鈴木めぐみが見つけてきたあんなコト・こんなコト

秦野市の介護家族のうつ予防事業

今年の調査研究テーマのひとつである「介護家族への支援」を調査するために、浜松で介護者支援の活動をしているNPOの代表の方と一緒に、秦野市を訪問した。

秦野市は、他市に先駆けて「家族介護継続支援事業」を平成19年度から実施している。この事業は、介護者の抑うつ傾向を中心とした介護状況について実態を把握し、精神的な支援を行っている。

事業を開始するきっかけとなったのは、家族介護慰労金や紙おむつなどの支給をしていたが、削減対象になった、また、市内で老老介護の末の心中事件がおこなったため、介護者の心のケアが急務にあると認識したところから始まったそうだ。

実態調査は、市内の居宅介護支援事業者や地域高齢者支援センターに委託し、ケアマネージャーを通じて、実施。SDS(自己評価式うつ病尺度)を用いて、集計を行ったところ、軽度の抑うつ性あり、中度以上の抑うつ性ありの人が半数を超えていた。(2005年厚生労働省の研究班が介護者のうつ問題に関する調査では、23%の人が経度から重度の抑うつ状態であった)



抑うつ傾向が疑われる介護者に対しては、訪問などの精神的な支援を継続的に行っている。実態調査の結果はケアマネージャーにフィールドバックし、情報共有を図る体制を整えている。その他、介護者同士が日頃の悩みや思いを語り合い、少しでも穏やかな気持ちで介護を続けることができるための「介護者のつどい」、「介護者支援セミナー」を実施し、参加を何度も何度も呼びかけをする。3日間の介護支援専門スタッフ養成講座を実施し、事業を支える人材を養成している。つどいには、市職員、訪問看護士、市民サポーターで行い、話しやすい場づくり、傾聴の姿勢を大事にしているそうだ。

予算は、人件費7名分の490万円。

秦野市では事後のアンケート調査などを実施していないとのことだが、抑うつ傾向のある介護者がこの事業でどう変わったかというデータがあると、他の自治体での導入がさらに進むのではないかと思う。

浜松でも秦野市から学び、「介護家族支援」を広めていきたい。