来年浜松市は市制100周年を迎える。
多くの先人たちの努力のおかげで、発展することができ、今日の浜松に至っていて、感謝をしながらお祝いをするのはいいことだと思う。
ところが、当初100周年記念事業費160万円だったのが、この9月補正で1億750万円も追加されたのを読み、「あれ?変」と思った。
中身は、市民や民間が発意する100の事業に対して、1億円補助をする「100夢プロジェクト」と、100周年のロゴマークやマスコットキャラクターの制定に 350万円。
これまで浜松市は、地域で実施されてきた「姫様道中」「信康まつり」「水窪の綱引き」などの伝統的なイベントの補助を年々減らしてきた。そのため、これまで通りにできず、規模を縮小したり、内容を変更して対応せざるをえなかった。
それなのに、100周年だからと、どんと1億円!が出てきた。
あら?財政厳しいと言っていたのに、へそくりこんなにあったのね。
担当に聞くと、従来続けてきたイベントはそのままでは100夢プロジェクトの対象ではなく、新たに100周年として企画を組み立てなくては、対象にならないそうだ。
継続してきたイベント、伝統行事、おまつりこそ、地域の誇りになるものだと思うのだけれど。
100周年にちなんだ新たに企画すると、ともすれば一過性の花火になりがちだ。
「次のネットワークや仕組みにつながるようにしたい」と担当は話をするが、では具体的に誰が、どのように、どうしていくのかは答えがない。
市民の自発的な活動があれば、勝手にネットワークや仕組みができると考えているのだろうか。
私の経験からすると、すぐれたコーディネーターが地域にいれば別だが、自然には生まれてこない。何らかの刺激、気づき、つながりが必要だ。
企画を精査し、ブラッシュアップさせ、気づいていた他の視点を提起したりして、ともに考えるコーディネーター役を、市の担当はやる気があるのだろうか。やる気があったとしても、今のマンパワーでは100事業できるのだろうか。
自発的な市民活動は、自ら調達している。しかし、今回の原資の1億円は、市民からの税金だ。税金を使う事業だからこそ、担当は市民や民間と真剣に向き合って、よりよいもの、次に繋がるものとしていかなくてはならないのだ。
税金を使う以上、ばくち的に使ってもらっては困る。
一過性のイベントではなく、9月1日のブログに書いたように、地道だけど、市民がまちに愛着と誇りを持てるよう丁寧な政策展開をしていくことが大事だと思う。