浜松HAPPY化計画ブログ

鈴木めぐみが見つけてきたあんなコト・こんなコト

放課後児童会の根本的な見直し〜質問3〜

質問の3つめは、放課後児童会の根本的な見直しについて。

この質問について、中日新聞に掲載されたこともあり、問合せが多い。
そこで、私の質問の趣旨を知ってもらうために、長文になるが、ほぼ全文を掲載する。市長の答弁は、概要を載せる。

<めぐみ質問>
ここ10年、働く親たちの要望を受け、放課後児童会は着実に増えてきている。さらに、「時間の延長」「夏休みなどの長期休暇」などが実施され、働く親たちにとって、使える放課後児童会になってきた。

しかし、旧浜松地域の放課後児童会には、多くの課題が残っている。


旧舞阪、旧雄踏を含む旧浜松市地域の放課後児童会は、市が施設をつくり、地域の育成会が運営実施をする「公設民営方式」を40年以上前から続けてきている。地域の育成会は、地元の自治会長、校長先生、PTA会長、民生委員、指導員などからなる組織で、年1回から2回ほど開催している。市は、各育成会に、運営にかかる費用(消耗品、印刷代、電話代など)約20万円、補助指導員の報酬の3/4(119万円)、その他、指導員、補助指導員の傷害保険料などを補助金として支出している。

また、指導員は、有償ボランティア扱いで、指導員の年間の報酬158万円、時給1240円は直接市が指導員に支払ってますが、雇用関係は生じていない。育成会の運営は、ほとんど指導員の肩にかかっていて、児童会の責任者として、子どもとの交流の他に、年間活動計画、会計処理、市との連絡調整をしなくてはいけない。時間外には、おやつの買い出し、銀行などへも行くことも多い。多くの子どもを預かるという責任は重いですが、あくまで有償ボランティアですので、労災、雇用保険社会保険などには入っていない。労災適用されるような怪我をしても、労災に入っていないため、休業補償もない。


 設立当初は、「地域の子どもは地域が育てる」ということで、地域主体の育成会が、ボランティアをお願いし、実施するという方式でよかったことでしょう。しかし、40年の時が過ぎ、共働きの増加、地域社会の衰退、安心安全に関しての意識の変化などで、放課後児童会への保護者や社会からの期待が大きくなってきたにも関わらず、その運営方法が見直されずにきてしまっている。行政の不作為を指導員の善意で補っている状況。早急に仕組み全体を見直す必要がある。

もし、大きな事故が放課後児童会で起きてしまった場合、その責任はどこが持つのでしょうか?補助方式では、市の責任は間接的であいまいだ。昨年1年間で、38件の事故が放課後児童会で起きている。保険は、スポーツ安全保険浜松市学童等災害共済制度があるが、十分とはいえず、万が一裁判になった場合、「育成会」は果たして払うことができるのでしょうか?また、育成会の方々は、そうした仕組みであることをご存知でしょうか?
放課後児童会は、児童福祉法に位置づけられた子育てインフラのひとつで、今は働く親たちにとってはなくてはならないものとなっている。

■1点目は、 旧浜松地域の育成会への補助金方式の課題をどうとらえているか。
<市長答弁>
補助金方式においては、指導員は市がボランティアとして直接依頼しているが、補助指導員の募集は、各放課後児童会育成会で実施することになっている。活動する時間が不規則なことから、どこも補助指導員の確保に苦慮している状況にある。
 また、各放課後児童会育成会に運営の裁量を任せていることから、遠足などの四季折々の行事や誕生日会の開催回数など、放課後児童会ごとに運営内容が異なり、保護者の負担金にも違いが生じているといった課題もある。

補助金と委託に違いをわかっていて、この答弁?
 補助金事業は、あくまでも団体の意思で事業が実施され、それに対して市が補助をする。
 委託は、市の責任において(市の事業として)、民間に委託をして実施する。


■2点目は、旧浜松地域の放課後児童会の指導員が有償ボランティア扱いになっていて、雇用契約が結ばれておらず、労災、雇用保険などの社会保険がない。毎日子供の安全・安心と責任を担う指導員が有償ボランティア扱いの状況をこのまま継続していくつもりがどうか。

<市長答弁>
「各政令市等の放課後児童会の指導員の待遇について調査し、検討していく」

■3点目は、浜北区、北区(旧浜松地域除く)、天竜区は、それぞれNPO法人社会福祉協議会社会福祉法人への委託方式と、一市一制度となっていません。旧浜松地域の育成会への補助金方式を、今後どのようにしていくつもりか。

<市長答弁>

 事業委託をした場合、委託契約書の作成、年間事業計画・実績報告書の作成、予算・決算書の作成など、事務処理が煩雑となるため、放課後児童会育成会への委託は難しい。

 また、現在、委託方式で実施している浜北区天竜区等の放課後児童会に聞き取りを行ったところ、現在でも人材の確保に苦慮しており、現状では、更なる委託は難しいという意見だった。
 補助金方式の放課後児童会は課題もあるが、地域との密接な関わりなど長年の運営実績もあることから、今後は、各政令市等の状況を調査し、より良い運営方法について検討していきたい。

■4点目、保護者を放課後児童会のサービスの受け手としてだけでとらえるのではなく、子どもを育てていく主体者として育んでいくことが今後重要。保護者の放課後児童会への参加、参画を推進していく必要があると考えるが、今後はどうしていくのか。

<市長答弁>
 国の放課後児童クラブガイドラインや静岡県における放課後児童クラブの整備・運営に係るガイドラインにおいても保護者の参加・責任が明記されている。
 市としても、保護者自身がより積極的に放課後児童会の運営に参加・参画するよう、保護者へ指導・啓発をしていきたい。

<再質問>
そもそも、放課後児童会事業は、市の責任で実施していくものなのか、それとも民間ですべきものと考えているのでしょうか?

<市長答弁>
市も民間も協力して、、、
(よく聞き取れなかった)

<感想>
放課後児童会は、遊びと生活の場として児童の健全育成を担っていて、働く保護者における子育てと仕事の両立を支援し、さらに子どもの日常における安全の確保をしている。

静岡県が策定したガイドラインには
「市町の責務」として、市町は児童福祉法第21条の10の規定に基づき、地域の実情に応じた放課後児童健全育成事業を実施するものであり、放課後児童クラブの運営主体と相互に連携を図り、事業の利用促進に努める、とある。

だから、市の責任で実施し、直接運営か、委託をしていくか、どちらかであるべきだと思う。補助金スタイルでは市の責任はあいまいのままだ。
また、市長が掲げる「一市一制度」になってもいない。早急に仕組みを見直すべきだが、「調査し、検討」では。。。悲しい。