浜松HAPPY化計画ブログ

鈴木めぐみが見つけてきたあんなコト・こんなコト

説明責任を果たせ/決算反対討論

今日から、11月議会。

私は、平成21年度決算の反対討論をしました。

以前から情報公開制度を利用し、調査をしている「モザイカルチャー事業」4年間で総額34億円もの事業なのに、トータル決算、トータルな報告、総括が出ていません。
自らつくった4年間の決算数字の表を手に「説明責任を果たせ」と討論しました。









認第5号平成21年度浜松市一般会計歳入歳出決算について、反対討論をいたします。

「決算の認定」は、議会の権限のひとつです。
そのため、地方自治法第98条第1項で、議会は、当該普通地方公共団体の事務に関する書類及び計算書を検閲し、当該普通地方公共団体の長、委員会又は委員の報告を請求して、当該事務の管理、議決の執行及び出納を検査することができると規定されています。


●資料が出てこない

今回の決算審査に当たり、私はルールに乗っ取り、議長を通じて、資料請求しました。その中のひとつに「モザイカルチャー事業に関する決算詳細調」がありました。しかし、私たちに提出されたものは事業報告だけで、決算の金額がひとつも入っていないものでした。これでは、「決算審査をしてくれ」と言われても、審査することができません。決算審査特別委員会の前にも、現在業務を受け継いだ部署に何度もしつこく請求しましたが、出てきません。このイベントは複数年に渡っての事業です。モザイカルチャー世界博2009協会が市からの負担金を受けて、実際の運営をしています。また、市をあげての事業のため、関連事業も多くありました。こうした事業すべてを総括する決算、報告も必要なはずなのですが、出てきません。職務怠慢。議会軽視です。

 すでに、モザイカルチャーの事業報告をした今年2月9日の総務委員会で、複数の議員から「間接的な経費も含めて。イベントとしての最終的な評価を出してほしい」「詳細の報告を出してくれ」と要請されていたのにも関わらず、これまで出てきていません。
同じ総務委員会の中で、86万人の入場者数、経済効果179億円、雇用創出1314人、900万円の黒字と報告されました。目標人員に達成したことは素直に「よかったね」「頑張りました」です。しかし、それが総額でどれだけのコストをかけ、浜松市浜松市民にとってどうだったのか、今後への課題などを総括する必要があります。それをなぜ、できないのですか?
「出ない」「出せない」「できない」ということは、職員の能力がないのか、職員のやる気がないのか、出すと不都合なことがあるのか、それとも組織的な隠蔽なのか、、不信、疑問がフツフツとわいてきます。


 浜松市が総括をしないのなら、自分でするしかありません。出ないのなら、強制的に提出してもらわないといけません。仕方がないので委員会終了後情報公開制度を使い、関連する資料の提出を求めました。よく考えると議員が決算審査するのに、情報公開しなくてはならないなんて、おかしな話です。段ボールいっぱいの膨大の量ですのですべて読み込めていませんが、おおよそまとめてみました。

●実は総額34億8千万の大型事業だった

 お手元の表をご覧下さい。1枚目の表は、ようやく昨日の午後5時に出来上がった関連事業も入った4年間の浜松の負担額を一覧にした表です。一番の下の欄に、4年間で、市の負担額は関連事業を入れて約18億円投入されています。2枚目以降は、3年間の協会決算です。最終ページにご覧になってもらうとわかりますが、協会全体事業費で24億円で、重複する市の負担分4億円、派遣職員分2億4600万円、花と緑の基7700万円の合計7億2000万円を引くと、16億8000万円です。重複部分を除いて市と協会をあわせると、34億8000万円もの大型事業だったということがわかります。私がまとめましたので、間違いがあるかもしれません。その場合は、市長、ぜひご指摘ください。

●赤字補填隠し?7700万円

 さて、1枚目の表にお戻りください。協会への負担金は最初に公言した4億円に収まっていますが、景気の悪化で企業からの寄付金が1億3000万円ほどしか集まらず、予定額に達せず、約7700万円を花と緑の基金を取り崩しています。赤字分の補填である7700万円を隠すために、こうした表ができなかったのですか?「努力したのですが、協賛集まりませんでした。補填をお願いします」となぜ、言えなかったのですか?不都合なことがあるのですか。隠されればされるほど、疑い深くなります。

●確信的フライングで始まってしまった

 そもそも、モザイカルチャーは平成18年8月9日に突如「観光客の誘致」「地域交流の活性化」「都心の賑わい創出」「地域経済の振興」を目的に、誘致委員会への負担金を事前執行するとの発表で始まりました。今回、情報公開をしてわかったことですが、開催誘致計画の策定業務の委託契約898万8000円を、議会に報告するほぼ1ヶ月前の7月12日にすでにされていました。誘致委員会すらできていないのに、契約が先行するとは確信的フライングです。4年間で市の負担額約18億円もかかる大型事業が検討をしっかりせずにそれいけ〜〜と「フライング」で始まってしまったのです。今思うと、時間がないんだから、ちゃっと誘致しなくては、ちゃっと上海に作品を出展しなければ、ちゃっと上海に視察団を送らなければ、とせかされるように、バタバタと動いていきました。なぜ、当初予算で計上できなかったのか、今となっては大きな謎です。その時点で追求できなかったと議会人として、私自身反省しています。

●コロコロ変わった担当部署

 最初は、商工部中心市街地活性化事務局、その後都心政策課、国際モザイカルチャー推進課、平成20年度になって企画部に移り、21年度に事業本部と変遷しています。今は、公園緑地部緑政課が事務を引きついています。これだけ、部が変わっていくと、ミッションが変貌し、書類もばらけ、全体を見ることが大変困難になります。何か、意図があったのでしょうか?隠されているだけに、不信は膨らみます。

●国際イベントには、間接経費がかかる〜理事の航空運賃、宿泊代、食事代、晩餐会〜

 情報公開をしてみて、わかったことのひとつに、国際イベントは、間接経費がかかるということです。平成18年度を見てみただけでも、国際モザイカルチャー委員会(IMC)の理事3人が平成18年9月に2泊3日で浜松に視察に来ているのですが、相手側の航空運賃300万円、さらに宿泊代、食事代を持ち、さらに27人分46万2640円でホテルでレセプションを開催し、総額424万円余かかっています。その後、浜松から上海に視察団を派遣、4人分の旅費、先方先での晩餐会、お土産のネクタイ代10本などで141万円支出しています。その後にも次々と海外旅費、晩餐会代、食糧費費が計上されています。その後の年度もあったと推測できるのですが、まだ時間がなく読み込めていません。21年度、オープン時にもレセプションがありましたが、果たしていくらかかったのでしょう。

●海外出張、国内出張、どれも必要だったの?

 また、出展勧奨、PRのために、海外出張、国内出張が市から、協会から頻繁にされています。営業活動ですから、どれだけの経費をかけ、その成果がどうであったのか、何が課題だったのか明らかにし、冷静に評価する仕組みが必要だと思いますが、総括されていません。すべて本当に必要な出張だったのでしょうか?と疑いたくなります。また、組織として総括されていないため、今回の経験は個人のものに集約され、組織として共有されていきません。多くの費用がかけたものがその場限りとなり、その後に生かされないのでは、もったいないことです。

●上納金は1億円以上

 さらに、IMCへのロイヤリティを拾いだすと、総額9900万円(後で調べなおしたところ、1億円でした)ほどになりました。その他、理事分の航空運賃代、宿泊代、食費代などを含めると、多額のお金がIMC国際モザイカルチャー委員会 にいっていることもわかりました。

●イベント終了後も、関連支出続々

表には出ませんが、イベントが終了したからといって、関連費用は今も出ています。出展してくださった都市や海外とのおつきあい、イベントへの出展などは、馬鹿にならない金額になります。例えば21年度は韓国仁川の世界都市祝典に80日間に1830万円、総勢26人が仁川に行って対応していたりしています。

●外への補助金には厳しく、中への負担金はユルい

 今回、情報公開をしてみての感想は、外部の補助金は厳しくチェックされ、市が認めない支出には支払われないなど対応されますが、内部への負担金は、一度出てしまうとチェックがユルいなあと思いました。


●黒字額は発表された900万円ではなく、55万円だった

 さて、2枚目以降の表は、協会の決算を3年間分まとめてもらいました。ようやく、これでお金の流れを見ることができます。2月9日の総務委員会では約900万円の余剰を見込んでいると報告されていますが、最終的には最後のページに書いてあるように、55万6387円でした。資料が出なかったのは、この黒字額が大幅に違うからですか?不信は募ります。

●大型イベントなのに、総括する報告書がない!

今回、協会からの事業報告書を見ることができましたが、市全体の報告書をずっと探しているのですが、未だ手にしていません。ひょっとして作成していない、存在しないということでしょうか?一枚目の表を見ていただけばわかるように、協会だけがモザイカルチャーに関わったわけではありません。国際イベントとして市をあげて取り組んだはずです。区役所のモザイは?子どもたちの作品は?どうなったの?なぜ、総括しないのですか?場当たり的で、トータルで見ていることころがなかったということでしょうか。

●説明責任を果たせ

 モザイカルチャー世界博は、多額の税金投入だけでなく、リーマンショックの景気の厳しいなか、多くの企業や団体から1億3000万円程もの貴重な寄附をいただきました。また、市民の多くのボランティアに支えられ、自治会や各種団体、多くの方々の協力により、チケットを販売することができました。市民の皆さん、企業の皆さんに感謝の意を伝えるとともに、説明責任を果たすべきではないですか?
平成20年5月議会の私の一般質問で「どこがこのモザイカルチャー事業の責任を持って推進していくのですか、責任体制はどのようになっていますか」と質問しました。その際、山崎副市長は、「誰かに任せるということではなく、私の責任でやっていきたいと考えています」と答弁しています。あの答弁は、その場限りの発言だったのですか?なぜ、責任を持って推進したのだったら、その結果を議会に市民に責任持って説明しないのですか?なぜ、隠すのですか?トップが説明責任を果たしていない姿を見れば、職員もそれをまねます。やはり、隠さなくてはならないことがあるのですか。否が応でも疑いたくなります。
今月は、市民への約束評価月間です。約束の一つに「何事もわかりやすく説明します」とあります。財政危機という中で、4年間で公金を約18億円投入した事業が少しもわかりやすく説明されませでした。0点どころか、マイナスです。

 今日は討論ですので、市長や副市長の答弁を求めることができませんが、ぜひ市長や副市長、説明責任を果たしてください。このままでは納得できません。ふつふつわき上がる怒りを押さえつつ、私の反対討論を終わります。