浜松HAPPY化計画ブログ

鈴木めぐみが見つけてきたあんなコト・こんなコト

「川から流れるマイクロプラスチックを削減しよう」〜一般質問その4〜

「川から流れるマイクロプラスチックを削減しよう」〜一般質問その4〜

 

昨年度、政務活動費を使い、馬込川の4地点でマイクロプラスチックの浮遊状態を調査しました。その結果、人工芝とわかるマイクロプラスチックが認められました。PEは、ポリエチレン、PPはポリプロピレンで、採取されたマイクロプラスチックのうち、13.8%が人口芝でした。

調査を依頼した環境調査会社のピリカによると、全国的にも、川や湖などを調査すると、人工芝が隠れた流出源となっているとのことです。

川に流れたマイクロプラスチックは、そのまま海に流れてしまいます。マイクロプラスチックは、有害化学物質を吸着又は含有し、食物連鎖等を通じて海洋生物系に影響することが懸念されています。

 

2019年に改正されたいわゆる、「海岸漂着物処理推進法」では、マイクロプラスチック対策として、事業者は、通常の用法に従った使用の後に、河川等に排出される製品へのマイクロプラスチックの使用の抑制を求めています。地方自治体も1事業者でもあリますので、マイクロプラスチックの使用の抑制が求められます。

そこで、3点伺います。

 

1点目、馬込川の調査結果を受けて、環境政策課で公共施設の人工芝の利用状況を調べていただきましたが、その結果はどうだったでしょうか。今後、人工芝の破片が川に流れないために、人工芝対応のガイドラインを作らないでしょうか?また、民間のゴルフ場やテニス場、フットサル場などへの啓発についてはどのように考えているのか。藤田環境部長にお伺いします。

 

<回答>

本年5月に200㎡以上の人工芝を有する市有施設を調査したところ、21箇所、約10万㎡の面積で施行されていた。そのうち、比較的規模の大きな3施設を現地調査したところ、実際に人工芝の破片が側溝や集水枡に堆積していた。

公益財団法人日本スポーツ施設協会が策定した「人口芝グランドにおけるマイクロプラスチック流出抑制に関するガイドライン」を活用する。

人工芝を使用している民間施設に対して、マイクロプラスチック問題に関する情報提供をし、流出防止のための対策を実施するよう周知啓発していく。

 

2点目、浜北平口サッカー場(サーラグリーンフィールド)の人口芝が荒れているという声を聞いたので、見に行ってきました。2ページ中段の写真を見てください。

私の拙い写真でも人工芝が剥がれていることが見えると思います。

 

サッカー場は、運動での摩擦によってところどころ人口芝が剥がれていきます。

人工芝は、寿命があり、丈夫なものでも10年程度で交換が必要と言われています。更新はどのようになっているのでしょうか。

 

現在、スポーツ施設では、劣化してちぎれたプラスチック破片をどのように対応しているのでしょうか、また人工芝の管理を今後どのようにしていくのか、中村文化振興部長に伺います。

 

<回答>

側溝や集水枡に溜まった人工芝は、施設職員による清掃が定期的に行われ、汚泥とともに処分している。

今後は、周囲の側溝に集塵フィルターを試験的に設置していく。

サーラグリーンフィールドは、耐久性のある人工芝への更新を検討していく。

3点目です。マイクロプラスチックには、マイクロサイズで製造された化粧品等に含まれるマイクロビーズなどの1次マイクロプラスチックと、大きなプラスチックが自然環境中で破砕・細分化したものの2次マイクロプラスチックがあります。

 

2020年7月19日、8月1日NPO法人エコライフはままつが実施した篠原海岸でのマイクロプラステックの調査で、一番多かったのが、1次マイクロプラスチックの一つ、被膜肥料でした。被膜肥料とは、プラスチック等の殻で覆われている肥料で、一定の水分が浸透すると殻が破れて中身が溶け出す仕組みで、稲作などに使われています。肥料を覆っていたプラスチックの一部が分解されないまま川などに流出しています。

農家は肥料が入った重いタンクと機械を背負って田んぼの中を歩き回る必要があり、高齢化や農地の大規模化にともなって大きな負担になっていて、「1回蒔けばいいという、その手軽さから高齢化が進む農家にとって必要」などの声があるのは、理解していますが、それではマイクロプラスチックが川に流れぱなしとなってしまいます。

 

まだまだ「肥料の殻の問題について知らない農家が多い」中、マイクロプラステック削減のため、被膜肥料が川などに流れない対策をどのようするつもりか、清水農林担当部長にお伺います。

 

<回答>

現在、農林水産省では、肥料販売事業者とうによる「プラスチック資源循環アクション宣言」を推進し、被膜殻の流出防止への注意換気を肥料袋に記載することや分解性の高い被膜素材への改良等への取り組みを後押ししている。

今後、耕作地での適正な水管理について、農業者を対象に発行する担い手通信やホームページを活用して周知を図り、環境にやさしい農業の推進に努めていく。

 

<意見要望>

マイクロプラスチックごみは、海洋の汚染だけでなく、海に生きる生物、漁業や観光などの産業、そして私たちの体にまで影響を与えます。

プラスチック問題を環境問題とだけと捉えることなく、産業の問題、健康問題としても考えていただきたいと要望します。