浜松HAPPY化計画ブログ

鈴木めぐみが見つけてきたあんなコト・こんなコト

一般質問その1〜「区の再編と地域共生社会」

11月30日に議会での一般質問の読み原稿を今更ですが、5回にわけてアップします。

 

今回の一般質問のテーマは「市民とつくる公共」です。

市民の声と仲間たちの協力によってつくった質問です。「ちがうだろ〜〜」と私が発言しなくても済む、答弁を期待します。

 

今の社会は、物やサービスがあふれる豊かな社会である一方、時代の変化が激しく、競争化、少子高齢化、情報化などの影響を受けて、誰しもが社会的弱者になってしまう可能性がある社会でもあります。社会的弱者をできるだけ少なくしていくのは、政治の大きな役割だと私は考えています。もちろん、行政だけが社会を構成しているわけではないので、主体的な市民が増え、市民とともに21世紀型の浜松での公共をつくっていきたいと考え、今回の質問を構成しました。

 

そこで、まず、大きな1点目の質問は「区の再編と地域共生社会」についてです。この3年間、区の再編について行財政改革・大都市制度調査特別委員会で、今後の住民自治、行政サービスのあり方になどについて議論してきましたが、ずっと私が要望していた福祉・保健、こども家庭のサービス提供体制の考え方が、先の11月9日の特別委員会でようやくその一部が出てきたところです。まだまだ今後の議論が必要です。

市民の間では、区の地域がさらに広くなると福祉や保健サービスが低下するのではないか、大きな単位になると対応が大雑把になり、きめ細やかさに欠けるのではないかという不安や危惧があります。障害のある子どもを持つ保護者の方に伺うと、申請やら面接、相談などで区役所に行くことが多く、今は車に乗れるので、区役所に行けるが、区役所が遠くなり車に乗れなくなったら、どうしたらいいのだろうかといまから心配をしていました。市役所は持続可能になったとしても、市民生活も持続可能でなくてはなりません。

 

一方、国では、公的福祉サービスを縦割りから丸ごとに転換し、2020年初頭をめどに「地域共生社会」を目指すとしています。地域共生社会とは、“高齢者・障害者・子どもなど全ての人々が、1人ひとりの暮らしと生きがいを、ともに創り、高め合う社会”と定義されています。現在、浜松市でも高齢者を地域で支えるための「地域包括ケアシステム」の構築を推進しています。「地域包括ケアシステム」とは、医療、介護、予防、生活支援サービスを切れ目なく提供し、高齢者の地域生活を支援することです。地域共生社会は地域包括支援システムをより進化させ、困難を持つあらゆる人を地域で支えるための仕組みになります。

区の再編の工程表では、平成32年、つまり2020年1月で新体制移行となっています。国が目途としている地域共生社会への転換もほぼ同じ時期、2020年初頭と重なります。区の再編と地域共生社会構築は、別の次元で議論されるものではなく、どちらも今後の市のありように大きく関わってくるものなので、一緒に考えるべきと私は考えます。

 

そこで、1点目は、市長に伺います。

区が再編されることで、どのような地域共生社会を目指しているのでしょうか、市長の考え、ビジョンを伺います。また、区が再編されても、福祉・保健サービスが低下させない、より向上させていくために、どのような工夫をしていくのか、伺います。

 

2点目です。

高齢者のみならず、障がいのある方、子ども・子育て家庭支援を含んだ地域包括ケアシステムの構築が、今後の地域共生社会の肝だと考えます。現在市はどのように考えているのでしょうか。また、どう支援していくつもりかなのか、鈴木副市長に伺います。

 

3点目は私からの提案です。地域包括システムが実質的に機能し、地域共生社会に向かっていくためには、地域での担い手確保が欠かせません。しかし、今は、自治会役員、民生委員などのお役目の方々にますますの負担がかかってしまう状況です。「自分ごととして地域課題に取り組む」地域の新たな人材確保が急務です。

そこで、地域での福祉とコミュニティの地域診断の促進を提案します。現在は別々に行っているのですが、分けずに、参加者を変えつつ、重層的にしていく方が現実的です。地域生活支援コーディネーター、コミュニティ担当職員を含む住民参加型で、地域を歩き、データを集めます。インフォーマルなサービスも含む地域資源や課題の洗いだしをし、地域診断を行います。それを地域で見える化(地図化、グラフ化など)し、ともに住民とともに考える場を作ります。そこで、地域で新たな発見をした人たちが新しい動きを作っていく流れです。

地域診断ができる仕組みと支援ができないか、鈴木副市長に伺います。

 

 

<意見>

福祉や保健での相談、支援は、プライベートな領域に関わることなので、顔が見える関係、信頼感を感じられる関係、距離感が重要です。区役所が大きくなっても、そこを担保できるのか、特別委員会での議論の視点の一つとしていきたいと思います。

また、私は、行政の体制と地域福祉は、饅頭の皮とあんこの関係とだとみています。皮が大きくきれいでも、中がスカスカで、あんこがちょびっとだと、美味しくない饅頭になります。あんこがいっぱい詰まった、つまり地域共生社会がしっかり構築した上に、行政の体制、仕組みという皮が包む感じにならないと安心した市民生活ではないと考えます。ぜひ、行政の仕組みと市民生活を並行して考えていって欲しいものです。